戻る
  • TOP
  • EDiT
  • 読みもの
  • 北欧老舗テキスタイルブランド「フィンレイソン」の歴史とクリエーション
商品情報

北欧老舗テキスタイルブランド
「フィンレイソン」の歴史とクリエーション

1820年の創業以来、200年近い長い歴史を持ち、フィンランドを代表するテキスタイルブランド、「フィンレイソン」。フィンランドのどの家庭でも愛用されていると言われるほど、そのインテリアや生活雑貨はフィンランドの人々に愛されています。2016年版のEDiT、1日1ページ手帳(B6・A5サイズ)でコラボレーションしているそのフィンレイソンの歴史とクリエーションについてご紹介します。

自然とともに生きるフィンランドの人々

北欧、「フィンランド」と聞いて思い浮かべるのは、オーロラ、白夜、サウナ、広大な森、サンタクロース、ムーミン、それとも映画『かもめ食堂』? フィンランドは、日本から直行便で9時間半。ヨーロッパ北部に位置し、隣国にスウェーデン、ノルウェーがあり、そしてロシアと国境を接しています。日本よりやや小さい国土はほとんどが森と湖。そこに東京の半分にも満たない520万人が暮らし、白夜がある短い夏と長く寒い冬の中で、自然に寄り添いながら暮らしをいつくしんでいます。

200年の歴史と長く愛されるデザイン

夏には、森に滞在し、湖で泳いだり……と、ゆったりとした時間が流れる北欧では、自然はいつも人々のそばにいます。そして日照時間が1日で3時間とも言われるフィンランドの冬。厳しい寒さと雪のため、必然と家の中で長い時間を過ごすことになります。ならば、その場所は「心地よく明るい空間にしたい」という思いが、北欧デザインの特徴ともされる、自然をモチーフにしたカラフルなデザインのインテリアや小物を生み出していったようです。そんな数多い北欧ブランドの中でも、フィンレイソンは200年近い歴史を誇る老舗ブランド。高品質なテキスタイルと長く愛されるクラシックなデザインで知られ、フィンランドで知らない人はいないほどと言われています。

1820年にはじまった
フィンレイソンの歴史と伝統

フィンレイソンの歴史のはじまりは、今から200年近く前、1820年のこと。
当時、ロシア統治下のフィンランドにおいて、英国スコットランド出身のジェームス・フィンレイソンが、フィンランドの地方都市、タンペレ(現在フィンランド第三の都市)において紡績工場を設立。工場敷地内には学校や図書館、教会などの各施設がつくられ、タンペレはフィンランド最大の工業都市として発展を遂げました。また1882年、スカンジナビアで最初に電気が使用されたのがフィンレイソンの工場でした。フィンランド国民にとって、フィンレイソンは単なる一企業ではなく、国の発展に貢献してきたブランドとなりました。

現在、フィンレイソンの本社とデザインスタジオは首都ヘルシンキに移っており、物流センターはヘルシンキから西北120kmほどのフォルサにあります。創業の地、タンペレの中心地にあるフィンレイソンの旧工場の所在地は、今でも“フィンレイソン地区”として知られ、 ショップも1923年オープン当初と同じ場所にあります。

フィンランド国内初の自社デザインスタジオ

1951年にはフィンランド国内初の自社デザインスタジオを設置。これが今でもよく知られ愛されているフィンレイソンのクラッシックデザインの誕生のはじまりとなりました。 当時二人の見習いデザイナーが採用され、そのうちの一人が当時まだ17歳のアイニ・ヴァーリでした。数多くのクラシックデザインのブレーンを務め、今でもフィンレイソンのクラシックデザインの神髄として認知されている彼女は、「フィンレイソンのデザインスタジオはチームスピリットで働く、パイオニア的な場所であって、よい雰囲気で仕事が出来た」と当時を語っています。
今回のEDiTのカバーのうち、「CORONNA(1958) 」 と「TAIMI (1961)」をデザインしたのも、ヴァーリです。この二つのデザインは、現在でもフィンレイソンの定番クラシックデザインとして人気があります。

フィンレイソンのデザインの特徴は、クリアでグラフィック、植物のモチーフ、デザインを通じて語られる「ストーリー」。北欧の自然や植物の色、四季の移り変わり、何十年も前のフィンランドのアートが、インスピレーションの源です。現在、ヘルシンキのフィンレイソン本社内にあるデザインスタジオでは、フィンレイソンの伝統を守ることに誇りを持ち、時代と共に進化した新しいデザインプロセスにより制作を進めながら、寝装品、バス用品、キッチン&ダイニングテキスタイルなど、さまざまなホームテキスタイルを展開しています。

クラシックとモダン
二つの表情を持つフィンレイソン

2016年版のEDiTでは、60年代前後のクラシックデザイン「CORONNA」、「TAIMI」、「ELEFANTTI」、それからモダンデザインの「POP」を使ったファブリックカバーをつくりました。

【TAIMI / 1961年】 
「タイミ」とは、フィンランド語で「小さな植物」という意味。若いころ、授業中や何もすることがないとき、いつもノートや教科書の端に絵を描いていたというアイニ・ヴァーリ。「このデザインもそんなときに生まれた」とのこと。伝統的な花々が咲き乱れる夕暮れを思い起こさせる、愛らしく懐かしいフィンレイソンを代表するデザインです。

【POP / 2011年 】
たまごがコロンと並んでいるかのような、シンプルでリズミカルなデザイン。遊びごころを持って素材や技術を創造性豊かに使いこなすのが得意で、実験的かつ実践的なデザインを特徴とする若手デザイナー、スサンナ・サリネンによるものです。

【ELEFANTTI / 1969年】
デザイナーのライナ・コケラがヘルシンキの芸術デザイン大学在学中に、フィンレイソンと大学が主催したコンペで発表したデザイン。彼女が幼いころの家族写真を見ていたときに、兄弟が持っていた大きなゾウの素朴な手づくりのオモチャが目に留まったことから生まれた柄です。現在彼女は、タンペレのフィンレイソンオフィスがあったビルにアトリエを構え、アーティストとして活躍しています。

【CORONNA / 1958年】 
「毎日の生活に美を」という、当時のフィンレイソンのキャッチフレーズを象徴的に表した、スタイリッシュでタイムレスなデザイン。作者のアイニ・ヴァーリ自身は、このリズミカルな柄を「ジャズ」と呼んでいます。「CORONNA」の名称は、後の再生産の際につけられました。

EDiT B6サイズのカバーでは、どのデザインもシックな色味のバイカラーを効かせ、大人っぽさを感じます。またフラップ部分がマグネット開閉式なので、書類やメモを挟んでも安心。A5サイズでは、ペン挿し部分がバタフライストッパーとなっており、開きがちな手帳の口をしっかりとホールドしてくれます。そしてどちらのサイズも、カバーの内側はカードスリットやポケットがついています。ひと目を引く北欧らしいデザインと、機能性のよさがうれしいカバーです。

※ こちらの商品は販売終了となっております。ご了承ください。