育児日記を描くかんべみのりさん

MBA漫画家かんべみのりさんが手帳に描く、育児絵日記

"MBA漫画家"という一風変わった肩書きで、単行本をメインにMBAやビジネスについての執筆活動を行うかんべみのりさん。子どもの頃から絵を描くことが好きで、渡英して本格的にデザインを勉強。イラストレーター業を続けながら、秘書やDTP制作など、さまざまな仕事を経験しました。

転機となるのは、グロービス経営大学院への入学。学びを図解化した『マンガ 日本最大のビジネススクールで教えているMBAの超基本』(東洋経済新報社)でデビューを果たし、その後、次々と著書を出版。現在は2人目のお子さんを出産し、戸建てを新築するなど、公私共に充実しています。人懐っこい笑顔で出迎えてくれたかんべさんに、仕事のこと、3年間手帳に描き続けている育児絵日記のことについてお聞きしました。

PHOTO : 井関信雄

経営学の復習を兼ねて描いたマンガが
デビューのきっかけに

仕事を始めて数年。リーマンショックを経験し、今後の自分の在り方に不安を抱いたかんべさん。自分の市場価値を高めたいと資格取得を考えていたときに、MBA(経営学修士)という学位を知りました。職場の近くにMBAプログラムを提供するグロービス経営大学院があったこと、体験授業でその面白さに触れたことなどから入学を決意。会社員として働きながら、仕事の後に週2回、グロービス経営大学院に通ったそうです。

ビジネススクールでの経験について話すかんべみのりさん

「授業料の元を取らなきゃという気持ちで(笑)、週末は復習に当てていました。そこで編み出したのが、授業で学んだことをマンガ化するという勉強法。最初の2ページに授業の内容をまとめて、その次の2ページでマンガにします。コマ割りは描きながら考えていって。マンガで経営学の考え方をかみ砕くので、理解がすごく深まりました」

デザインを勉強した経験を活かし、無地のノートにも、授業の内容をバランス良くわかりやすく図解。生徒の間で評判になったそうです。そのマンガがきっかけとなって、かんべさんはMBA漫画家としてデビュー。「それまでは何をやっても中途半端でしたが、何かひとつで10にならなくてもいいんだ。いろいろな経験や技術を集めて10にしてもいいんだと気づきました」と当時の心境を語ってくれました。

経営学をマンガで記録したノート

わかりやすさから、他の生徒から「コピーさせて欲しい」という声が相次いだ

その日の忙しさも物語るマンガの育児日記

「自分の強みが活かされるのはビジネスジャンル。絵がそんなにうまいわけではないので、漫画家として生き残れる場所はビジネスだと思います。本当は育児マンガが描きたいんですけど、育児マンガはビジネス用語的に言うと“レッドオーシャン”。プレイヤーが多すぎて入れません」

そんな気持ちもあって、かんべさんはEDiTの1日1ページ手帳に育児絵日記を描いています。「うちの子、一時期、“自分(じぶん)で”のことを“どでんぶ”って言っていたんです。言葉は写真には残らないので、そういうかわいい言い間違いを手帳に残しておきたいと思って始めました」

かんべみのりさんの育児絵日記

毎日1ページに日記を収める。アレもコレもとなりがちだが、本質以外を潔く削る

育児絵日記は、時間をかけないがモットー。旦那さんがお子さんをお風呂に入れている間に描き、色芯が8本入った「マルチ8」で色を塗っています。色が塗れなかった日は忙しかった日。そんなことも絵を見るとひと目でわかります。

子どもの足跡や手形などをファイリングした1日1ページ手帳

手帳にはお子さんの工作や手形などもファイリング。思い出を手帳に集約する

仕組みができると、描き続けられる

「子どもがこの手帳をすごく嬉しそうに見てくれるんです。『これが○○くんで、これがママ。ママの顔が赤いよー』とか言って(笑)。最初の子がしゃべるようになって育児日記を始めたので、もう3年。これからも子どもの成長記録を残していきたいです」

ブリストルスケールを手帳に記録

ブリストルスケールを使って、うんちの形を数字化。時間軸を活用して子どもの健康状態も記録

デスクで手帳に育児絵日記を描くかんべみのりさん

色まで塗れた日は余裕があった日。2人目の出産後は色が塗れない日が続いている

ビジネススクールで培った論理的思考から生まれたロジカル家事

これまでに書き下ろした著書は4冊。その間にお子さん2人の妊娠と出産もあり、最新刊の執筆のときには、出産前日まで仕事をし、退院してからも修正作業などを行ったとか。フリーランスだけに仕事とプライベートをうまく切り分けできません。

かんべみのりさんの著書

著書は、右から『マンガ 日本最大のビジネススクールで教えているMBAの超基本』(東洋経済新報社)、『マンガでわかる! 入社1年目からのロジカルシンキングの基本』(SBクリエイティブ)、『日本一カンタンな人の動かし方』(明日香出版社)、『マンガ とにかくわかりやすい MBA流 決算書の読み方』(朝日新聞出版)

主婦であり、2児の母であり、漫画家でもあるかんべさん。去年は自宅を新築したことで、新たに1週間1ページの週間ノート手帳も併用して、あらゆることを一元化するようになりました。

週間ノート手帳には新築を機に、かんべさんが力を入れている“ロジカル家事”の構想も書かれています。必要なモノを必要な場所に配置することで、家事の手間が削減できるロジカル家事。例えばバスルームには家族の下着を入れる収納ボックスを配置。自分で取り出せるよう、子どものボックスは下に。収納ボックスに入りきらなくなったら、古い下着から捨てるという仕組みをつくりました。

バスルームの収納ボックスでロジカル家事を実践

① 家族全員の下着を収めるために、いくつのボックスが必要か、パーツなどを手帳にメモ
② バスルームに設置された収納ボックス。子ども用は引き出しやすくなっている

「夫が家事を手伝ってくれても、食器を違う場所に収納したりして、二度手間になっていました。だから新しい家では仕組み作りをちゃんとしようと、食器棚にマグカップ、コップなどと、その置き場所にラベルプリンターで打ったものを貼っています。だから使った後、どこに収納するかが一目瞭然。我が家ではお客様が自分でお茶を入れて、片付けられるんです(笑)。」

そんなアイデアは子どもの本棚やおもちゃ置き場、玄関の靴置き場にも。「世の中の忙しい女性のためにもロジカル家事を紹介していきたい」とかんべさん。MBA取得で養ったロジカルシンキングが、仕事だけでなく、生活にも活かされています。

かんべ みのり Minori Kambe
MBA漫画家

神戸大学法学部卒業。フリーターとして職を転々とした後、渡英。英国Edinburgh’s Telford College Illustration with Design HNCコース修了。帰国後は会社員として勤務する傍ら、イラストレーター業を続ける。2012年グロービス経営大学院入学、2014年同大学院修了。MBA(経営学博士号)を取得。在学中よりMBAの学びをイラスト図解化することに取り組み、日本で唯一のMBA漫画家として活動中

Web : kambeminori.com

Instagram : @kambeminori

Twitter : @minorikambe
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