⼿帳の書き⽅に変化をもたらしたタイムマネジメントへの意識 / 吉武裕子さん

⼿帳の書き⽅に変化をもたらした
タイムマネジメントへの意識

吉武 裕⼦さん / キヤノンマーケティングジャパン株式会社 iNSPiC 商品企画課

⼿軽に使える⼿のひらサイズのミニフォトプリンター「iNSPiC(インスピック)」。キヤノンが発売すると同時に話題となったiNSPiC は、⼿帳やノートとの相性がよく、EDiT ユーザーにも⼈気です。このiNSPiC のプロジェクトリーダーを務めるキヤノンマーケティングジャパンの吉武裕⼦さんは、商品企画からマーケティング、プロモーション、製品のアフターフォローまでを担っています。

多岐にわたる業務を抱えながら、現在⼦育て真っ最中でもある吉武さんが、限られた勤務時間の中で効率よく仕事をするために徹底しているのが、タイムマネジメント。愛⽤するEDiT の週間ノート⼿帳とともに、その使い⽅や仕事についてお伺いしました。

TEXT : ごとうあいこ PHOTO : 吉崎貴幸

SNS ユーザーを追い⾵に
新戦略で挑んだプロジェクト

携帯型フォトプリンターをアメリカで先⾏販売したキヤノンが、新しく⽇本国内向けにリブランディングして誕⽣したのが「iNSPiC」。2018年秋に初代モデルが発売、瞬く間に話題となった⼤きな理由は、「スマホひとつで、すぐにどこでもプリントできる」という⼿軽さと後発のカメラ機能付きモデルでも1台1万円台で買えるという⼿頃な価格。

iNSPiC では、スマホ内に保存された画像やイラストなどをシール紙にプリントし、⼿帳やノートに切り貼りして楽しむことができます。発売後には、「⼿帳愛好家にぴったり」という、あるTwitter の投稿が⼤きな反響を呼びました。

笑顔の吉武裕⼦さん

「カメラよりも気軽に、SNS 世代に親しんでもらえるアイテムになれば」との思いから、若い世代や⼥性向けに動いたというiNSPiC のプロジェクトの中⼼にいるのが、吉武さん。iNSPiC の発売当時から、プロモーション戦略をはじめとした、マーケティングプラン全般を担当しています。

あらゆることを⼿帳に記⼊
使い切るのが吉武流

そんな吉武さん、実は⼿帳のヘビーユーザーでもあり、⽇頃からEDiT の週間ノートを使ってタイムマネジメントをしたり、アイデアの書き出しをしているといいます。

「育児休暇から復職し、2018年にiNSPiC の商品企画担当になってから、⾃分がわかりやすいかたちでスケジュール管理しないと追いつかなくなったんです。社内でデジタル共有する予定もありますが、⾃分の⼿元でもわかるように書き留めておきたくて」

専ら仕事⽤にしているという⼿帳は、出勤後はデスクの上が定位置。ウィークリーページを開き、置きっぱなしにして作業をするのが習慣となっています。

吉武裕⼦さんの手帳

「⾒開きで1週間を⾒通したいので、ウィークリータイプがいいですね。特に週間ノート⼿帳は、ざっくり3分割のバーチカルと後ろのノートページが多いところが気に⼊っています」

ブレストやメモ、資料作りの下書き、構成案など仕事に関するあらゆることを⼿帳に書き留めるという吉武さん。2019年版では、ノートページを「全て使い切った」とにっこり。

「仕事のスケジュールやアイデアを中⼼に、全部この⼀冊にまとめています。だから、メモできる部分が多いと助かるんです。⼀週間を⾒開きで管理しながら、TO DO を下のメモ欄に書き、ふせんには、長期的に考えなければ行けないことを書いて、土日欄に貼って常に目に入るようにしています」

1⽇1.5時間の
余裕をつくる

⽇々⼿帳を書きながら、よりよい使い⽅を模索しているという吉武さんは、社内でのタイムマネジメント研修で学んだ時間管理や⼿帳の使い⽅を実践しているそう。

「➀⼈に会う予定、②やらなければいけない仕事、③突発的な仕事の3種類でスケジュールを割り振ること。突発的な仕事を想定し、1⽇1.5時間の空きを取って計画すること。これを踏まえて予定を組むことで、効率よく時間を使えるようになりました」

吉武裕⼦さんの手帳

⼿帳には⻘字で空き時間をマーク。資料づくりなど時間がかかる作業は、空き時間を3時間取れる⽇に回して、逆に「30分くらいで済ませられる事務処理」は、空き時間1〜1.5時間のところでおこなうなど、空き時間の量で作業⽇を決定。⼿帳の下部にTO DO をリストアップし、終了したら印をつけるようにするなど、⼿帳の書き⽅にも変化が⽣まれました。

「こう考えて⼿帳に落とし込んでみたら、腑に落ちたんですよね。いつまでも仕事が終わらないのは時間配分や効率を考えていなかったからだと(笑)。書き出していない仕事も突発的に発⽣すると気づけたので、最初から余⽩時間を含んで計画するなど、対応策も取れるようになりました」

チャレンジ精神を
⼿帳がサポート

限られた時間の中でフル稼働し、効率のよいやり⽅で仕事をこなして残業をしないという働き⽅は、吉武さんのように時短勤務している社員だけではなく、会社全体が推進している⽅針でもあります。タイムマネジメント⼒を上げることに意欲的な吉武さんは、会社のミッションでもある「いままでにないことにチャレンジする」ということも、⾃らの働き⽅の後押しになっていると話します。

打ち合わせスペースで仕事する吉武裕⼦さん

打ち合わせの席にもパソコンと共に手帳を携え、その場で手帳にメモを取ることも

「いろんなことを考えるのが好きなんです。“こうしたら、こうなるかも!”と想像するのが、すごく楽しくて(笑)。移動中は作業をするのは不向きなので、SNS をチェックしながら調査やアイデアを練る時間に充てています。⼿帳に書けないときは、スマホにキーワードだけ⼊れておいてあとで整理。⼦ども寝かしつけるときに、仰向けで寝ころびながら頭の中であれこれ考えることもありますね(笑)」

吉武さんは、歓談中に聞いた話も忘れないうちに⼿帳にメモをするなど、アイデアや思考の断⽚といっしょに書き溜めていき、そこからまず⼿書きでプランニングしています。書いたことを整理するのは「会議前の時間が最適」なんだそう。

笑顔で話す吉武裕⼦さん

「会議があるときは少し早めに⾏って、始まる前に書き溜めた情報を⾒ながら、⼿帳のノートページに整理します。パワーポイントなどで資料をつくるときも、同じように⼿書きで全部書き出してからじゃないとできなくて。⼿書きすると頭が整理されるので、効率がいいし、会議前の短時間に集中してやるとはかどるんです(笑)」

挑戦できる環境で
やり抜く楽しさを実感

iNSPiC のプロジェクトリーダーである吉武さんがカバーする仕事の範囲は、商品の導⼊からサポート、マーケティングまでを⼀⼿に担い、かつ、プロモーションや商品企画のアイデアをかたちにするなど、実に広域にわたりますが、吉武さん自身は、そうして期待されていることに「仕事の⾯⽩味を感じる」と応えます。

「会社からも“チャレンジする”ということを求められているので、いろいろやってみたいという思いがあります。iNSPiC の担当になってからは、商品を持って⾃分から社外のさまざまな展⽰会などに出向き、積極的に名刺交換や話を聞いてもらう機会を増やしているんです。以前は、まず社内の中で紹介してくれる⼈を探し、⼈づてにアポ取りをすることしか頭に浮かびませんでしたが、待つのをやめ、⾃分から動くようになってからは、つながりがより広がっているように感じます」

展示会で接客中の吉武裕⼦さん

展⽰会では、訪れた顧客やマスコミに対応しながら、商品の特長や使い方などを説明することも

他社商品とのコラボレーションで商品の新しい魅⼒を引き出すことに成功したり、新たな絆が⽣まれたりするのも「新しい価値をお客様に提供できるうれしい機会」という吉武さん。たとえば、マークスともシステム⼿帳のカバーデザインと合わせたiNSPiC専⽤ケースやトラベル、カフェなどテーマ別のリフィルなどでタッグを組み、好評です。

iNSPiCの展示会の様子

2019 5 ⽉におこなわれたカメラ付きiNSPiC の発表展⽰会では、たくさんの使い⽅サンプルが並べられた

そうした挑戦を楽しめるのも、会社や仲間の⼒強い後押しや評価があってこそ。2019年春に成功させたカメラタイプのiNSPiC 発表会でも、遊び⼼あふれる“使い⽅”をぎっしりと集め、数々の⼿書きのノート、⼿帳、雑貨やおもてなしシーンなど、iNSPiC でプリントした写真を使ったサンプルを⾒せ、機器のスペックをあえて全⾯に出さず「この商品をどう楽しむか」という体験にフォーカスした⼤胆なアプローチで、新たなキヤノンを印象づけました。

B7 サイズの⼿帳に
思い出を保管

「iNSPiC の付加価値や可能性を広げる術を考えながら、私⾃⾝も⽣活に取り⼊れながら使ったり、展⽰会やプロモーション⽤にサンプルをつくったりすることもありますが、多様な使い⽅をSNS 上で⾒つけては、驚いています」

iNSPiC ユーザーがプリントしているものは、写真にとどまらず、イラストや⽂字、QR コード、名前シールなど、実にさまざまです。シール⽤紙なので、好きな形に切り貼りできるのが受けているようで、吉武さんも「iNSPiC はフォトプリンターというより、シールプリンターなんだ、と教えていただいたような気持ち」と感⼼します。

キヤノンマーケティングジャパンのショールームの様子

⼀般の⼈にも解放され、ワークショップも開催されているショールームでは、iNSPiC をはじめ、カメラ、プリンター、男⼥問わず⼈気だというカメラのストラップが持ち⼿になったトートバッグなど、さまざまな商品が並ぶ

「⼿帳の中⾯に貼ったページの画像がたくさんアップされているのを⾒ると、iNSPiC は単なるプリンターではなく、好きなことや思い出をシェアするコミュニケーションツールとして愛されているようで、うれしくなります。私⾃⾝もプライベートでは、⼦どもたちの⽇常をお気に⼊りの⼿帳にまとめているんですよ」

そう微笑んで、ぱらりと広げる吉武さんのEDiT の⼩さな1⽇1ページ⼿帳には、お⼦さんたちの元気な姿がいっぱい。

iNSPiCの写真を貼った吉武裕⼦さんの手帳

1 ⽇1 フォトを残すだけで、その⽇のできごとや気持ちも思い出される

「⼦どもが⽣まれたばかりの頃は、“ほっぺにクリームを塗った”とか、いまとなってはどうでもいいと思えるようなことを愛おしさと共に、言葉で書き残していたんです。⼦どもたちが0歳〜1歳くらいのときは、“忙しくても残しておかなきゃ”という気持ちが最も強かったので」

そんなお⼦さんたちも成⻑し、2⼈とも幼稚園⽣に。思い出の記録もiNSPiC を活⽤し「1 ⽇1 フォト」に様変わりしました。

「本当に、なんでもない⽇常の写真なんですよ。ただ、こういう瞬間を⼿軽に残せるのはいいなと思って。気楽にやりたいので、⽂字は書かずにiNSPiC でプリントしたシール状の写真を貼るだけなんですけど(笑)コンパクトなB7 サイズの⼿帳は思い出の保管にちょうどよくて気に⼊っています」

笑顔で語る吉武裕⼦さん

デジタル上のシェアアルバムのような気軽さもありながら、⼿に取れるかたちで残るもの。その場で切り貼りできるiNSPiC は、社内の歓送迎会などでも⼤活躍しています。

「ちゃんとしたアルバムに綴じていくのもすてきですが、“楽しい”とか“うれしい”という気持ちをその場で、すぐに⼿に取れるかたちで共有できるうれしさがありますよね。シール紙なので、簡単に貼れるという点も、よろこばれます」

仕事に、⼦育てに、全⼒投球の吉武さん。お⼦さんがお絵描きや宿題をするときに「ママもいっしょに」と促されて⼿帳を開くこともあるそうですが、「家ではけっこうぐだぐだなんですよ(笑)」と頬をゆるめます。会社では限られた時間の中で効率的に、かつ⽣産性をあげるべくタイムマネジメントを徹底、家庭ではキチキチにせず予定もざっくり。切り替え上⼿な吉武さんから、オン・オフともに充実した時間が流れている様⼦が伝わってきます。

▶︎iNSPiC を使った1 ⽇1 ページ⼿帳の使い⽅はこちら >

キヤノンマーケティングジャパン株式会社 吉武裕子さん
吉武 裕⼦さん Yuko Yoshitake
キヤノンマーケティングジャパン株式会社 コンスーマ商品企画本部 iNSPiC 商品企画課

2005 年、キヤノンマーケティングジャパン株式会社⼊社。インクジェットプリンターやデジタルカメラの販売促進担当を経て、2011 年よりインクジェットプリンターの企画部⾨にて、プロモーション戦略を主に担当。2018年より、ミニフォトプリンターiNSPiC の商品企画として、市場導⼊やプロモーション戦略など、マーケティングプランニング全般を担当し、さらにキヤンノンマーケティングジャパンの営業、EC 担当、会員制サービス担当、カメラやプリンターの商品企画部⾨などの組織横断のメンバーによって構成されるiNSPiCのマーケティングプロジェクト、「ichikara プロジェクト」のリーダーも務める。
Web : cweb.canon.jp/inspic/special/
iNSPiC アイデア帖 : inspic/howto/index
Instagram : canonmj_inspic