こだわりのマイルールで 美しくまとめるアイデア用ノート

マイルールで計画・実行・分析
アイデア用ノートは最強ツール

やまぐちまきこさん /「フムフムハック」編集長・文具ライター

「文具のことなら何でも!」という"文具よろず屋"を自認するやまぐちまきこさん。文具を中心とした情報サイト「フムフムハック」の編集長として、さまざまな文具の使い方を紹介するだけでなく、細かな分析や検証を行いながらニーズに合わせた提案もしています。

「仕事が楽しくて仕方がない!」というやまぐちさんが愛してやまないというのが、EDiTのアイデア用ノート。「これまで10冊以上は使っている」というアイデア用ノートの使い方を中心に、やまぐちさんの文具愛、好きなことを仕事にする生き方をお伺いしました。

TEXT : ごとうあいこ / PHOTO : 吉崎貴幸

心奪われた
7mmドット罫

「横罫ノートのスタンダードは、6mmや7mm幅が主流なのに、市場にある方眼ノートに5mm罫が多いのが疑問なんですよね。横罫より幅が1〜2mm小さい5mmの方眼罫に字を書くと、私の文字は、はみ出てしまうんですよ。それが嫌で(笑)」

“ノートが大好き”というやまぐちさん。開口一番、持ち前の分析力を発揮し、既存のノートとEDiTのアイデア用ノートの違いを力説。その鋭い着眼点と探究心を目の当たりにすると、やまぐちさんがどれだけ文具を愛し、また真摯に向き合ってきていたのかがわかります。

インタビューに答えるやまぐちまきこさん

「アイデア用ノートは、7mm方眼なんですよね。それも、ブルーのドット罫なので、主張がないところもすごくいい。私は、美大生だった頃にクロッキー帳をノートとして使って以来、横長のノートには愛着があります。いろいろなノートを試しましたが、文字とイラストを一緒に描く私には、アイデア用ノートが1番! もうパーフェクトでした。アイデアを広げるにはヨコ型の方が使いやすいと実感しています。」

ノートを美しく見せる
マイルール

文具の使い方や新しい提案など、頭の中にあるアイデア出しから、仕事の情報整理や進行管理まで、さまざまなことをアイデア用ノートにアウトプットするというやまぐちさん。どのページにも、文字とイラストがセットで書かれていて、ふせんもきれいに貼られています。

「文字だけだと言語化しにくいときもあります。だから、イラストを描いた方が、頭に残りやすいし、イメージを具体化しやすくて。ページの使い方のベースは3分割と6分割にしています。3分割は問題を3ステップで解決する流れを書くときに。『問題提起→解決の提案→ゴール』というように考えます。6分割は、主にアイデア出しのとき。とにかく6個アイデア出そうと、先に線で割っちゃいます」

やまぐちまきこさんのアイデア用ノート

3分割・3ステップで問題を整理するとゴールに向かいやすい気がします。ふせんを使うとアイデアを移動したり、書き直したりできるのがいいですね」

ページを分割するルールだけで、後は思いつくままに書いていると思いきや、「マイルールはもっとある」といいます。マスキングテープやふせんの位置、吹き出しに入れる文字要素、ペンの色数を絞るなど、「見返したくなるようなきれいなノートにする」ことに注意を払っているそうです。

「思いついたことは、まず手帳にメモします。煮詰める時間を別に取って、そこでアイデア用ノートに向かい、メモを見ながら発想を広げてまとめるんです。私はデジタルツールもよく使いますが、何をやるにも、まずは1回手書きでアウトプットするところから始めます」

やまぐちまきこさんのアイデア用ノート

購入や提供されるサンプルなど、趣味と実益を兼ねて増え続ける文具の整理・収納は、やまぐちさん自身の悩みであり、ユーザーにも提案したいテーマ。そのため、整理収納アドバイザーの資格も取得

文具の情報サイト
フムフムハック

とにかく文具が好きでたまらないというやまぐちさん。「小さい頃からまったく変わらない熱量で好きなものが文具」と笑います。

「実は、母も文具が好きで。仙台出身なのですが、子どもの頃から上京するたびに銀座の伊東屋へ連れて行ってもらっていました。旅先でも、文具屋は絶対に立ち寄るという親子で(笑)その頃から今でも、文具を研究してしまいます。たとえば、同じペンを0.1〜0.7mm芯までフルラインアップで購入し、書き比べるのはもちろん、試して観察して、分析することが大好きなんです」

「好きな文具を軸に独立したい」と思っていたやまぐちさんが、文具の情報サイト「フムフムハック」を立ち上げたのは2015年のこと。実は商売を営む実家の家訓で、幼い頃から「自力で稼げるようになりなさい」と言われてきたそうです。実際に家業の手伝いをしながら、「“自力で稼ぐためにはどうしたらいいか”?ということを、常に考えていた」と言います。

「まずはIT企業でプランナーとして働きました。サイト設計やSEO対策など、吸収できることは何でもやり、3年後にEコマースの会社に転職。そこでコンテンツをつくれるようになり、独立したんです。2社での知識と経験を生かして、サイト構築からコンテンツ制作までをひとりで行い、フムフムハックを立ち上げました」

カフェで仕事中のやまぐちまきこさん

自宅に加え、コワーキングスペース、カフェなどで仕事することもしばしば。記事に掲載する写真も自分で撮影することが多いため、カメラも相棒として欠かせない

ここまで計画的なビジョンにもとづいて行動してきたやまぐちさん。フムフムハック開始時に、「○年目、ライターデビュー ○年目、企業とコラボレーション ○年目、本を出す」といった、綿密な10年計画を練っていたのです。そして、フムフムハックで文具情報を発信しながら自己分析、トライ&エラーを繰り返した結果、知名度が上がり、1年以内には文具ライターとしての仕事が舞い込んできました。

「データを読んで分析することが得意で、効率化を考えることも大好き。脳科学や自己啓発の本もたくさん読んで、仕事や日常生活の中でも、効率的な方法や目標にコミットしてハイパフォーマンスを引き出す行動などを実践しています。たとえば私の場合は、“どの時間帯が1番仕事がはかどるのか”、とか(笑)」

気になる10年計画は、1年1年、ステップアップを重ねてどんどん実現。大きな夢に向かってどんどん前へ進んでいます。

プロとして文具に
向き合う日々

「当初は、ライターというのもおこがましいくらいでしたが、会社員時代からマニュアル手順書をたくさん書いていたので、情報を端的にまとめたり記録をすることには慣れていました。そういう文章を読むのも好きなんです。分析データやマニュアルを、全く初めて読む人でもすぐにキャッチアップできるような文章にするのは得意。媒体に寄せる記事も、ブログに書く情報も、そういう視点で比較・説明しています」

やまぐちまきこさんのアイデア用ノート

雑誌などに寄稿する内容も、まずは一度ポイントなどをノートに整理。「ヨコ型ノートは、カテゴリーを分類したり、時系列で書いたりできて、まとめやすいですね」

いまでは、メーカーから新商品の発表展示会にも招待されるようになり、そういった展示会や文具イベントには「何を置いても行く!」というやまぐちさんですが、現場でもよくペンを走らせているそう。

「そこでしか聞けないフレッシュな情報を走り書きします。気づかれにくい変更点などを聞くとうれしくなります。『5mm小さくなりました』とか、パンフレットにも書いていない情報だったりするんです。フムフムハックにも、『この手帳は、去年と何g違いますか?』といったマニアックなお問い合わせが来るので、いろんな気づきをいただいています」

イラストといっしょに日々の行動ログやひとこと日記を記録している手帳。上部が3分割のバーチカル、下部がメモ欄の「ママ ダイアリー」(マークス)を活用している

「情報は数値で示す」
文具愛をのせて発信

文具は身近な道具でもあるので、“使いやすい”という表現には特に気をつけているというやまぐちさんは、「感覚ではなく、数値で解説する」と話します。

「たとえば、“使いやすいペン”って何をもってそう言うのか? 使い手や用途によって“使いやすい”の基準は変わるだろうし、感覚的な表現をするとうまく伝わらないと思うんです。だから、“3時間書き続けても疲れない”とか“何gと軽量”と数字を入れたりして、具体的かつ客観的な説明をします」

仕事相手と談笑するやまぐちまきこさん

2019年12月におこなわれる「文具女子博」では、10年計画の目標のひとつだった企業とのコラボレーションも実現。やまぐちさんが自作していたフォーマットを元に、「マークスのシステム手帳」の限定リフィルとして販売

やまぐちさん自身は仕事でたくさんの文具の使い、使い方まで模索しますが、提案するときは「使い方にこだわりすぎないようにしている」そうです。

「フムフムハックのコンセプトは、“フムフム・ワクワク・ライフハック”です。自分のマニアックな知識を読者にわかりやすく伝えるには、どう噛み砕くか、どういう切り口にするかを考えます。その上で、写真やイラストなどを豊富に入れつつ、読んでいて楽しくなるコンテンツになるように心がけていますね。“情報の正確さ”はこだわって、徹底的に調べています」

談笑するやまぐちまきこさん

「文具が好き、そして仕事が大好き!」という思いをまっすぐに届けてくれたやまぐちさん。アイデア用ノートで発想力を広げながら、“計画・実行・分析”で着実に夢へと突き進んでいくやまぐちさんとフムフムハックの5年後、10年後が楽しみです。

やまぐちまきこさんのプロフィール画像
やまぐち まきこさん Makiko Yamaguchi
「フムフムハック」編集長・文具ライター

幼い頃から大好きな文具を中心に “読んでフムフム・ワクワクする”ライフハックコンテンツを、年間300万PVを達成したブログ「フムフムハック」にて発信中。雑誌やwebで文具ライターとしても活躍。

Web : fumufumu89.com
Twitter : @fumu89fumu89
Instagram : @fumu89fumu89