この数年来、「ノート術」や「手帳術」を仕事の軸に、ライターとして雑誌や書籍、Web媒体などの編集制作やライティングに携わるeyeco(ごとうあいこ)さん。60以上にのぼる人の「書き方・使い方」の取材を通して、自らもノートや手帳のヘビーユーザーになったというeyecoさんが、日頃から実践しているノートの使い方を、EDiTのノートを使用しながらご紹介いただきます。
TEXT:eyeco(ごとうあいこ) PHOTO : 吉崎貴幸
私は、仕事でもプライベートでもノートを必需品として活用しています。使い方も多岐にわたり、日々進化。最近は新しいノートを手にするたびに、「このノートはどんなふうに使うといいかな?」とワクワクした思いで向かっています。
仕事に関係ある・なしに関わらず、高い頻度で書き込むのが「情報ストックノート」です。自分のアンテナに引っかかった情報は、紙ベースで保存しています。もともとは、“知り得たニュースや発見はできる限りストックしておきたい”という思いで始めましたが、ノートで保管すると、アイデアや気づきが生まれやすい。デジタル保存することもありますが、私の場合は、デジタルだと「保存」するだけで満足して終わり、ということが多くなります。
一方、ノートに貼ると、ページをめくるだけで視界に飛び込んでくるので、振り返り率が高く、過去に貼った記事が、現在追いかけている話題に繋がるなど、点が線になりやすく、発展性があると感じています。
情報は、時事ネタ、自分の興味、最近よく耳にする話題などを中心に、新聞やネットニュースなどからどんどん拾ってノートに貼っていきます。このときに、日付を書いておくと、振り返ったときに「この頃はこんなことに興味があったんだ」と自分の変化に気づくこともあります。
ポイント1: 話題をキーワード化して管理
たとえば、新聞記事だったら、見出しや内容からキーワードを絞ってメモ。ノートの最初のページにインデックスをつくり、そこにキーワードとページ数を書いておきます。タグづけするイメージで、「シンガポール」、「芸術」、など1つの記事に対して、2〜3つくらいのキーワードを書き出しておくと、後日、同じキーワードを見聞きしたときにパッとタグづけした記事が浮かびやすくなります。
① キーワードを書く
② 記事の中で語られる主要なトピックをピックアップ
③ ②と関連する内容を箇条書きにしてグルーピング
④ 記事を読んで疑問に思ったことを書き出す
⑤ 過去に見た類似トピックスをメモしておく
ポイント2 : 「なぜ?」の疑問出し
記事のスクラップブックをつくるだけでは、正直記憶に残りにくいし、いざ会話でその話が出ても、「ああ、どこかで見たな」というくらいで終わりがちです。記事を読んで、「なぜ?」と思うポイントを探して思考を巡らせてみる。「なぜ?」を出して自分なりの答えを出してみると、その話題が出たときにしっかり意見を言えて、会話もあたたまるのでオススメです。
① 気になるところやポイントにアンダーラインを引く
② 人に説明するイメージで頭を整理しながら、要約してみる
③ 疑問や気づきなどを書き出し、自分なりに導いた答え(落としどころや仮説)をつける
過去の記事に関する新しい情報や関連事項はふせんを使って情報の上書きをすると、よりノートに深みが増して面白くなります。追加情報だけでなく、疑問や自分なりの回答もふせんに書いて貼ると、それを後で別のノートにまとめたり、手帳などに貼って関連事項を調べたりと持ち歩きもしやすいのでオススメです。また、情報に敏感になると、人との会話の糸口がつかみやすくなるという、うれしい利点もありますよ。
「情報ストックノート」のよさ
▶︎ 頭に疑問のフックをつくることで、問題意識が芽生えやすくなる
▶︎ フックがたくさんできると、関連ネタを引っ張り出せるようになり人との会話やつながりが発展する
▶︎ トピックを自分ごとに落とし込むことで、思考を深める回路ができる
▶︎ 蓄積された情報ストックノートが、仕事のアイデアやキーに変化することもある
▶︎ ノートにふせんや色ペンで情報やアイデアを重ねて一元管理すると、視覚的にもわかりやすく、記憶に残りやすい
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