EDiTは自分を映す鏡。分身のような存在 / ごとうあいこさん

「書く」ことで自己発見
「書く」ことで変わる

ごとうあいこさん / エディター&ライター

フリーランスのエディター&ライターとして、雑誌や書籍、WEB媒体などの編集制作やライティングに携わるごとうあいこさん。

そんなごとうさんがこの数年、仕事の軸としているテーマが、「手帳術」や「ノート術」です。たくさんの人の取材を通して、自ら手帳やノートのヘビーユーザーになったごとうさんに、EDiTを選んだ理由や使い方、活用するにようになってからの変化などについて伺いました。

TEXT : 荻野瑛子 PHOTO : 吉崎貴幸

EDiTのコンセプト
「人生を編集する」に共鳴して 

開口いちばん、「いつもは取材する立場なので、不思議な感じです」とほがらかに笑うごとうさん。早速、初代2017年版からの3冊のEDiT 1日1ページ手帳を見せてくれました。

「EDiTを知ったのは、2016年、ライターとして取材や執筆を担当している宝島社の『夢をかなえる! 私のノート術』の誌面で紹介する文具を探しているときのことです。目に飛び込んできた“人生を編集する”というEDiTのコンセプトに惹かれ、“この手帳がほしい!”と直感的に思いました」

愛犬・ウディはかけがえのないパートナー。ごとうさんの元気の源

愛犬・ウディはかけがえのないパートナー。ごとうさんの元気の源

ちょうどその頃、「片付け術」をテーマにしたムックにも携わっていたごとうさん。「私が取材をした整理収納アドバイザーの方が考案した『片付けノート』がおもしろくて、こんな手帳の使い方があるのかと思い、記事にするのと同時に、自分でも実践したんです。私は、手帳ではなくてノートでやってみたのですが、いま思えば、それが“書く”ことに目を向けた最初のアクションでした」。こうして、まずノートとのお付き合いが始まりました。

「ノートの効果で部屋がだんだん片付いてきたら、不思議と今度は“自分のマインドを立て直そう”という思いが生まれてきて、3行日記を書き始めました。それを手帳に転用したのが、手帳活用のきっかけです」

ノートや手帳に関する取材を通じ
自分のために書く大切さを知る

これまで手帳やノートの使い方について、インタビューや取材を数多くおこなってきたごとうさん。その数は60人以上に上るといいます。その取材を通して、ノートや手帳に関係する仕事術や活用術については、さまざまなノウハウがあることを知ったそうですが、それ以上に、みなさんに共通点があると感じました。

「自己管理ができている、自分のことをよく知っている、迷いがない、時間の使い方に無駄がない……。そんな素敵な方々に触発されて、生き方や仕事の考え方などの本を読むようになりました。すると、みなさん、思考を整理したり、理解を深めたりするために“書いている”ということがわかったんです」

ごとうさんが携わった代表的な手帳術やノート術のムック

ごとうさんが携わった代表的な手帳術やノート術のムック。自身が手帳のヘビーユーザーになるきっかけに。左から『夢をかなえる! 私の手帳術』、『夢をかなえる! 私のノート術』、『夢をかなえる! 私のふせん術』(すべて宝島社)

もちろんごとうさんは仕事柄、これまで膨大な量の文章を書いてきました。「ただ、“書く”ことは仕事であって、読者の目を意識してばかり。“自分のために書く”という発想は皆無だったのです。ところがそんなとき、思いもよらない人生の展開、まさかの離婚という転機が訪れました。今後の人生を考えたとき、嫌でも自分と向き合わざるを得なくなり、“誰か”ではなくて“自分はどうしたいのか”、その答えを得るために“書く”ことを始めたんです。それが今につながっていると感じています」

インタビュー取材中のごとうさん

これまでに取材し、手帳術やノート術について話を聞いた人は、60人以上。それぞれの使い方のいいところを取り入れながら、ごとうさん流の使い方がブラッシュアップされてきた

「いまは1日1ページ手帳の隅から隅まで、使い倒しています(笑)。EDiTはアレンジが効くところが魅力ですし、書体や絶妙なグレーの色味もいいですね」。ごとうさんの言葉には、並々ならぬEDiT愛が感じられます。

年間プランニングページ:ワクワクする言葉でビジョンを描く

「とくに年間プランニングページが好きなポイントで、毎年のビジョンを見比べると、自分の変化がよくわかります。たとえば、2年続けて“楽しもう”と記し、前向きに生きる姿勢が前面に出ていたのに、2019年には書いていません。それは“今”が楽しめている証拠なのかもしれません(笑)」

① その年、意識したいことや決意表明を書く

② 「こうありたい」という、3年来共通している自分自身のテーマ

③ 月間イベントは、年によって「月1回おこなう何か」のテーマを決めている。2018年は、「いままでにやったことのないこと」。2017年は「ワクワクする予定(例:メイクレッスンを受ける)」、 2019年は「理想のイベント(例:新しいコンテンツスタート…日本と海外をつなぐ仕事の第一歩を踏む)」

月間プランニングページ:目標はあえて過去形で書く

月間プランニングページは、あえて目標が達成したように過去形で書いている点がごとうさんの特徴です。

「そうすると、不思議と自分の気持ちがその方向に向いていくんです。私が手帳に書いているのは、自分が進みたい方向を見据えて、こういう気持ちで過ごそうという“思い”。ちょうど取材で“書いて自分の目標を認識する”という話を聞いていた時期なので、手帳の書き方もどんどん進化していきました」

① その月を「どういうマインドで過ごすか」というテーマ

② ひと月に3つのテーマを掲げ、月末に振り返る

③ 目標はあえて達成したこととして過去形で書き、月末にレビューする(オレンジ下線部分)

デイリーページ:自分なりにアレンジし、紙面をフル活用

デイリーページには、TO DOをはじめ、食事の内容、ちょっとした行動、思いついたアイデア、ストレッチやインスタ投稿などのルーティンワークのチェック、愛犬の体調管理など、ごとうさんの行動のすべてがぎっしりと書き込まれています。

① グッときた言葉や心に留めておきたいことなど

② 上部スペースに、思いついた順にTO DOをリストアップし、それぞれに番号を付ける

③ 予定には、②のTO DOの番号を書き込んで管理。黒字は予定、青字は現実を記入し、1日を振り返る。また青いふせんは、いつかやる予定のタスク、黄色のふせんは、やっておきたいこと。ふせんは移動できるので、予定した日にできなかった場合は別の日に貼り直し、実行したらはがす。ふせんはタスク管理に便利

④ ルーティンワークを記号で管理し、終わったらピンクのペンでチェック(W=愛犬・ウディの散歩、S=ストレッチ、B=インスタ投稿、など)

⑤ ハートはその日にあったいいことやグッドポイント、△は反省や課題などを書き、ひとこと日記も記入

⑥ 朝・昼・晩の3食を記録

心に響いたメッセージを
デイリーページのトップに

ごとうさんは「グッときた言葉」を集めるのが趣味。それらはデイリーページの日付の横に書かれていますが、英語のフレーズが多く見られます。「つらい時期に、友人がかけてくれた多くのポジティブメッセージから勇気をもらいました。なかでも大好きな言葉が、“YOLO!(You Only Live Once=人生は一度きり!)”。外国の友人たちや海外ドラマからは、いつも自分にはない視点に気づかされます」

手帳は常に持ち歩き
考えて、書いて、振り返る

「手帳はノートよりも携帯率が高いですね。自宅で部屋を移動するときも持ち歩いちゃうくらいです(笑)。何か思いついたり、確認したりしたいときに、すぐに開けるので」。日常のタスクや記録を記すデイリーページは仕事場でもある自宅で書き、目標を立てたり、夢を描いたりする年間・月間プランニングページは、カフェなどで書くようにしているそうです。

お気に入りのドッグフレンドリーカフェ、「SLOW COFFEE」にて。ただし手帳を書くときには集中したいため、愛犬・ウディはお留守番

「手帳をしっかり活用するようになってから、漠然とした不安に駆られることや迷いが少なくなってきました。目標を考え、手帳に書き、振り返ることで自己発見ができるし、自分の変化にも気づく。決断も早くなりましたね(笑)」

常に手帳と対話し、足元を確認しながら進むごとうさん。「自分のオンとオフ、思考と行動、過去・現在・未来が1冊に詰まっているEDiTは、まるで自分を映す鏡か分身のような存在です」

広がっていく活動
手帳によるPDCAサイクルの効果を実感

手帳での気づきを積み重ねるうちに、「これまでずっと興味があっても踏み出せなかったことにも、思い切って挑戦する覚悟ができてきた」というごとうさん。昨夏、アメリカ人講師の友人とともに、大好きな英語とおいしいお茶を楽しむ「話そう!英語で好きなこと(英語茶話会)」を主催。いまでは月に1度、都内で定期開催するようになりました。

また、2019年4月からはシリーズ累計124万部を超える『日本一簡単に家で焼けるパンレシピBOOK』シリーズ(宝島社)などが人気のBacke晶子(ベッカ・あきこ)さんが主催する『35歳からのわたし作り*講座』で、“ノート術を生かした私づくり”、つまり、“ノートに書き出すことで自分を見つめ直し、未来の自分を考える”レッスンの特別講師を務めることになったのです。「こうした挑戦ができるようになったのは、手帳の効果が大きいと思います。自分が何をやりたいのかが明確になり、自信がついてきたから」と力強い眼差しで語ります。

Backe晶子さんのアトリエで、講師を務める「35歳からのわたし作り*講座〜わたしが広がる! ノート術〜」の打ち合わせ

徹底的に調べ、検証し
自分の仕事に責任をもつ

編集制作の仕事は、常にさまざまなクライアント、媒体、テーマにフレキシブルに対応していくことが必須ですが、ごとうさんが最も心がけているのが、「徹底的に裏を取り、信用のおける記事を書くこと」だそう。

「たとえばパンづくりの本なら、著者のレシピでつくってみます。苦手でもやってみると、苦手だという目線でつまずくポイントもわかりやすい。ハウツー本の制作では、苦手だからこその気づきが助けになることがたくさんあります。建築家のル・コルビュジエの本に携わったときは、片っ端からル・コルビュジエに関係するものを見て回ったり、大学で模型を見せてもらったりもしました。ネットよりも紙の資料、本は何冊も読みます。限られた時間の中でもできる限り、多角的にたくさんの情報を集中的にインプットし、そのなかからエッセンスを捉えていく。その作業は、決して手を抜かないようにしています」

徹底的に自分の目と手足を使って調べ、検証するごとうさん。「読者目線での疑問や感じたことを準備しておき、本に落とし込むことを大切にする姿勢」は、もちろん手帳・ノート術の仕事でも貫かれています。自分で納得したうえで記事を書く。それが質の高い仕事を生み、次の展開につながります。

スッキリと整ったワーキングスペースには、書籍や新聞など仕事の資料も

着実、かつアグレッシブな歩みが
素敵な縁を引き寄せる 

仕事を通じて「夢をかなえる」サポートをしながらも、「正直なところ、自分自身は“こうなりたい”という具体的な将来像は描けていないんです」と率直に答えてくれたごとうさん。

「でも、不思議なことに、昔からいろいろな方が運んでくれる縁に導かれているような気がしています。自分が愛用している手帳、EDiTのメーカーであるマークスとご縁ができたこともミラクル(笑)。学業と並行してライティングや編集の現場で仕事を始めたのも、大学の構内で見つけた1枚の掲示を偶然見つけたことがきっかけでした。そこから気づけば20年も、この世界で、仕事を続けています。そのことに感謝しながら、これからも“できることを、できるだけ、できる限りやる”をモットーに、ワクワクしながら進んでみようと思っています」

とはいえ、不思議な巡り合わせは1日1日を大切に歩んでいるからこそ起こるものに違いありません。ライター歴20年目の節目に「挑戦を意識する」ことを決意したごとうさん。分身である手帳とともに、充実した日々を重ねていくことでしょう。

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ごとうあいこさん
ごとうあいこ(eyeco) Aiko Goto
フリーエディター&ライター

編集プロダクション勤務を経て、2007年よりフリーランス。『夢をかなえる! 私のノート術』(宝島社 / 2016年)のライティングを担当して以来、文具、ノート、手帳の活用術をテーマとした書籍に数多く携わる。英会話のスキルアップと異文化交流を楽しむために英語茶話会を主催。2019年4月現在は、漢方養生指導士の資格取得にも挑戦中。
Web:room510.lomo.jp
英語茶話会:109english.jimdofree.com