仕事が楽しくなるクリエイティブなノート術 トーク&ワークショップ  レポート

EDiTの方眼ノート発売記念!
〜 仕事が楽しくなるクリエイティブなノート術 〜
トーク&ワークショップ レポート

2019年2月、今年で10年目を迎えるEDiTブランドの新たなシリーズとして、方眼ノートがデビュー。この発売を記念し、「仕事が楽しくなるクリエイティブなノート術」と題した2部構成のイベントが、アートディレクターの佐藤ねじさんとビジュアルトレーナーの日高由美子さんを迎えて、開催されました。

今回は、東京・銀座の中央に位置する素敵な文具専門店、伊東屋の10階にあるHandShake Loungeを舞台におこなわれた2月16日(土)当日のトーク&ワークショップの様子をご紹介します。

PHOTO : 斎藤彩伽

ノート術のトークをグラフィックレコーディングで可視化

まずイベントは第1部、佐藤ねじさんから「アイデア・思考を深めるための1軍・2軍のノート術」、そしてこの時代に欠かせない「アナログノートとデジタルツールの使い分け」などについてお話いただきながら、その内容を日高由美子さんが「グラフィックレコーディングによって、どんどん可視化していく」という贅沢な内容からはじまりました。

会場は、銀座・伊東屋10FにあるHandShake Lounge

会場は、銀座・伊東屋10FにあるHandShake Lounge

佐藤ねじさんのトークを日高由美子さんがイラストに起こし、グラフィックレコーディング

佐藤ねじさんのトークを日高由美子さんがイラストに起こし、グラフィックレコーディング

さまざまなアイデアの中から、ベスト版を残す「1軍ノート」

『超ノート術 成果を10倍にするメモの書き方 』(日経BP)の著書を持つほど、ノート術オタクを自認する佐藤さんは、幼少期からの生粋のノート好き。ノート術に目覚めはじめた高校1年生の頃から現在に至るまで、ノートをすべて取っておいてあるそう。現在もノートを使って、アイデアと思考の追求を繰り返し、webやアプリ、広告など、さまざまな分野でクリエイティブを形にしています。

そんな佐藤さんからは、佐藤さんのノート術の中核とも言える、アイデアをすべて書き出す「2軍ノート」と、その中からよりすぐったアイデアを深め、まとめていく「1軍ノート」の紹介がありました。「さまざまなアイデアの中から、ベスト版を残しておくことは、絶対に有用です」。

そして、アメリカのコーネル大学の教授によって1940年代に開発されたフォーマット「コーネルメソッド」をベースにした「打ち合わせノート」や「目標ノート」など、実例を交えたさまざまなノートのフォーマットや使い方が次々と出てきました。

また、朝にカフェでおこなっているという「朝メモ」には、デトックス効果があるという話も。「いいことも嫌なことも書きだしておくと、不安解消になったり、次へのやる気につながったりするのでオススメです!」

穏やかな口調でノート術を静かに熱く語る佐藤ねじさん

穏やかな口調でノート術を静かに熱く語る佐藤ねじさん

ノートは、自分の分身であり成長エンジン

あっという間に終了時間が近づいたトークの最後、「ねじさんにとって、ノートとは?」の問いかけに、「① 自分の分身 ② 思考の外付けハードディスク ③ 成長エンジン」と答えた佐藤さん。「ノートはフォーマット化しておくと、見返しやすく、整理しやすい。ただルールを複雑化すると続かないので注意。自分自身やアイデアを俯瞰するノートが手元にあると、中長期的に成長できる。何度もリマインド、アクセスできるようにしておくことが大事」というアドバイスは、どんな人や職種にも活かせるノート使いのヒントとなりました。

和やかな雰囲気で進んだトーク

和やかな雰囲気で進んだトーク

さらに「デジタルツールも活用することで、アナログノートも輝く」という、今を生きるノート好きビジネスパーソンへの金言も。ノートを取りながら、熱心に聞き入るオーディエンスのみなさんの姿も印象的でした。

ライブでトークを記録していく日高由美子さん

ライブでトーク内容を記録していく日高由美子さん

佐藤さんの話と並行して進む日高さんのグラフィックレコーディングは、さながらライブパフォーマンス。日高さんの指先からスラスラとイラストが描かれていく様は、まるで鮮やかな魔法のようでした。休憩時間には、描かれたシートをじっくり眺めて内容を振り返ったり、スマートフォンに収めたりと、耳と目で楽しめる第1部となりました。

グラフィックレコーディングで4枚のシートに記録された、約40分のトーク

グラフィックレコーディングで4枚のシートに記録された40分のトーク

議論の内容やコミュニケーションをイラストでわかりやすく

そして第2部は日高さんによる、簡単なイラストを学び「仕事やノートに活かせるコミュニケーション力&理解力をUPする」ための初歩レッスンです。それは、「ミーティングをわかりやすく、かつ効果的にしたい」「クライアントとのやりとりをもっと深く共有したい」……そんなはがゆい思いを解決する近道のひとつ。

言葉で残したり表すことも大事だけれど、イラストで表現したり図解してみることで、関係性への理解が早くなったり、話の矛盾を見つけやすくなったり、「なるほど」と思えるメリットが発見できます。

「まずは指の力を抜くことが大切」と、親指と小指を使った体操からワークショップが始まりました。これで参加者のみなさんの気持ちもほぐれたところで、リアルタイムで書画カメラが映す日高さんの手元を追いながら、丸の顔に棒のような手足が付いた「棒人間」などを描いていきます。

ライブビューイングしながら、イラストの描き方を追っていく

ライブビューイングしながら、イラストの描き方を追っていく

「うまく描くよりも、どれだけ伝わるか」が大切

日高さんの解説を聞きながら、丸い顔の目の位置を変えたり、影を付けたりするだけで、表情が豊かに見えたり、立体感が出たりするなど、見やすくかつ伝わりやすいイラストになっていきます。そのほか、ピクトグラムや吹き出し、リボンを描いた枠など、伝授されたちょっとしたコツに「おーっ!」と感嘆や驚きの声もあがりながら、ワークショップは進んでいきました。

「伝えたい」の気持ちをモチベーションに

「伝えたい」の気持ちをモチベーションに

「描くことで、① 記憶に残る ② 発想が広がる ③ 齟齬がなくなる。描くことで、明日がもっとよくなる。“イラストをさっと描く”ということは、完成度よりも“どれだけ伝わるか” “あとからどんな発想が広がるか”が大切」という日高さんのまとめの言葉は、ノート術を一歩、スキルアップさせてくれるものでした。

働くことが生きること、学びとアナログツールも大切に

そして、「今は、食べるため、生きるために仕事をする時代ではなくなっている。人生100年時代になり、生きること=働くことに、どんどん変わってきている。学ぶこともずっと続いていくと思う。タブレットなどもあり、簡単に検索できて便利だけれど、自分が書いてきたこと、過去は検索することができない。それらを残す術として、書いたノートや手帳を大切にしていってほしいし、ずっとアナログツールに描くことも続けていってほしい」という日高さんからのメッセージでイベントの幕が閉じられました。

「描くこと、学び、アナログツールを使うことを大切に続けていってほしい」と日高さん

「描くこと、学び、アナログツール使いを大切に続けていってほしい」と日高さん

閉会後は、「ノートを書きたくなった」「すぐに実践してみたくなった」「これなら描けるかも」という声も聞こえてきた本イベント。お越しくださったみなさんの知的好奇心くすぐり、ノート熱をさらにあたため、ノートスキルをブラッシュアップする体験となったようです。

【プロフィール】
スピーカー : 佐藤ねじさん(プランナー/アートディレクター)
1982年生まれ。アートディレクターとプランナー。面白法人カヤック→Blue Puddle Inc.を設立。主な仕事に「アナログデジタルボドゲ」「CODE COFFEE」「変なWEBメディア」「5歳児が値段を決める美術館」「Kocri」「貞子3D2」など。著書に『超ノート術』(日経BP社)
blue-puddle.com

講師 : 日高由美子さん(グラフィックファシリテーター/ビジュアルトレーナー /アートディレクター)
株式会社TAMにてアートディレクターをつとめ、平行して「描く」ことを仕事や活動に生かすことを勧める「えがこう!」を主宰。自身もグラフィックレコーディングを行いながら、企業研修やオープンのセミナーで、「描くこと」をベースにした、仕事に生かせるビジュアル構築をトレーニングする。
egakou.com